会社への通勤には電車を使っていたのですが、パスケースを拾ってもらったことで顔見知りになり、やがて話をするようになったことで仲良くなり付き合うようになったのがＫでした。
Ｋは見た目は細いのですが、元々ハンドボール選手だったので肩幅やうで、胸板も適度に厚く細マッチョという、私好みの体形で、顔は目がくりくり髪はサラサラ、私よりも２歳年上なのに弟に間違われそうな風貌でした。
Ｋ的には弟に見られるのは心外のようで、もっと男らしくなりたいと言ってはあまり生えないヒゲを生やしてみては、私に指摘されてしぶしぶ剃るなど、かなり男らしさに憧れているようでした。
Ｋと付き合い始めて２年経った頃、ｋとデートをしている最中でもしょっちゅうメールが入るようになったのですが、Ｋはディスプレイを見た後メールをその場でチェックしようとせず放置するようになりました。
以前のＫならメールを見て、メールの内容を笑いながら伝えて来る事が多かっただけに、ここで軽く疑うようになっていきました。
そんな疑惑を抱えたまま２ヶ月が過ぎた頃、私の携帯に見知らぬアドレスからメールが来て、一度話し合いたいと書かれていました。
何の話かは書かれていませんでしたが、女のカンでこれはＫ関係だなと思い、Ｋの事ですか？と返信するとそうです。私もＫさんとお付き合いしていますとつづられていたのです。
Ｋに電話をするとＫは電話に出ず、翌朝メールで謝罪の言葉と共にくどくどと長い言い訳が書かれ、今日オレの家で話し合おうと最後に書かれていたので、その日は全く仕事にも身が入らぬままＫのマンションへ出向きました。
マンションへ行くと、青白い顔をしたＫとメールしてきた女性（Ｏ）がすでにいて、話し合いが始まりました。
主にＯがずっと話していたのですが、ｋの会社に派遣として入ったＯが恋愛相談をしているうちに好きになり、積極的にアタックしたこと、だからkは悪くないこと、メールしたのは私が何も知らずにｋと付き合っているのがかわいそうになったからだと言うではありませんか。
いくら良い人ぶろうとしても、彼女がいる相手から彼氏を略奪したことには違いなく、イライラしながら話を聞いていると、Ｋの事を男らしいとホメちぎりＫを落としたことがわかってきました。
「で・・・結局Ｋはどうしたいの？」
と私がようやく切り出すと、「・・・どっちも好きだから選べない」とあきれた答え。
Ｏの顔を見ると、自分が選ばれると自信満々だったようで、顔色が変わっていました。
Ｋにダメ出しして引っ張っていく私、ホメて自信を持たせてくれるＯ、どっちを選べなんて無理だと泣き出したＫを見て私はドン引き、ＯはＫをさかんに慰めていましたが、その姿見て気持ちはさっぱりと冷めてしまいました。
このままここにいたらふたりを罵倒してしまいそう、そう思った私はテーブルに合カギを置いたまま「もういいよ。別れるからお幸せに。ここにある荷物は捨てていいから」と言ってマンションを出ました。
その後Ｋから何度もメールが来たり、会社の前で待ち伏せされたりもしましたが、復縁はせずメルアド＆番号も着信拒否して今に至ります。
自宅へ帰った後、ボロボロに泣いて１週間はロクに顔も上げられませんでしたが、今では新しい彼もいるしまずまう幸せです。
