私が大学生の時に一人暮らしで住んでいたマンションには盗聴疑惑がありました。
最初は盗聴されているなど全く疑いもしなかったのですが、ある日テレビを観ていたら丁度“盗聴特集”の番組が放送されていて、「まさか私の部屋も盗聴なんてされてないよね?」と心配になってきてしまい、盗聴器発見器を買って調べてみる事にしました。
「きっと大丈夫。これで反応しなかったら安心して暮らせるし。」と自分に言い聞かせる様に部屋の中をくまなく調べてみました。
するとショックな事にベッドルームにある2つのコンセントから反応があったのです。
それでも私は「まさかね。」と信じられず、何度も調べてみましたが、やはり他のコンセントには反応しないのに、ベッドルームの2つのコンセントにだけ反応したのです。
私の恐怖心は一気に高まり、丁度更新時期だった事もあったので、思い切って引っ越す事にしました。
そして引越し日当日、男性の中年の大家さんにお菓子を持って挨拶に行ったのですが、なぜか玄関から出てきた大家さんはニヤけた顔をして「どうも。」と挨拶をしてきました。
私は気味が悪くなり早く挨拶を済ませようと、「お世話になりました。」と言ってお菓子を渡して去ろうとしたら、大家さんに「あの、写真を撮ってもいいですか?」と言われてビックリしました。
しかも私一人の写真を摂ろうと構えてきたので、「それは困ります。」と断りました。
そして最後に「良い声をされてますよね。」と言ってきたので「どういう意味ですか?」と聞いたら「いえ、なんでもないです。」と、またニヤけた顔をしていたので、この時やはり盗聴をされていたのだと確信しました。
テレビ番組で放送されている様な嘘の様な盗聴の現実が本当に存在するのだと初めて実感しました。